COLUMN

コラム

補助金対象の住宅に求められる省エネ性とは?

Q. そもそも省エネ基準とは?
建築物が備えるべき省エネ性能の確保のために必要な建築物の構造及び設備に関する基準であり、一時エネルギー消費量基準と外皮基準からなる。

※住宅の場合の概要

①一次エネルギー消費量が基準値以下となること
※一次エネルギー消費量=空調+換気+照明+給湯エネルギー消費量太陽光発電設備等による創エネ量(自家消費分に限る)

実際の計画に基づいて数値算出したものを設計一次エネルギー消費量といいます。
設計一次エネルギー消費量÷基準一次エネルギー消費量=BEI(一次エネルギー消費性能)
このBEIの数値で一次エネルギー消費量等級が決まります。

②外皮(外壁・窓等)の表面積あたりの熱の損失量(外皮平均熱貫流率等)が基準値以下となること
外皮平均熱貫流率(UA)=外皮総熱損失量÷外皮総面積
※地域区分によって異なる基準値が設定されています

冷房期の平均日射取得率(ηAC)=単位日射強度当たりの総日射熱取得量÷外皮総面積×100
※地域区分によって異なる基準値が設定されています

省エネ基準では上記のBEIが1.0以下(新築の場合)、外皮性能がそれぞれの地域区分の基準値以下となることが求められます。
また令和4年4月1日より、これまでよりも上位等級の基準値が設けられました。

また、こどもみらい住宅支援事業で補助金の対象住宅として求められる性能例は以下の通りです。

ZEH仕様
①強化外皮性能基準値の達成(例:福山などの6地域ではUA 値0.4以下)
②基準一次エネルギー消費量を20%以上削減
③再生エネルギー導入(例:太陽光発電)
①~③により基準一次エネルギー消費量から100%削減

認定低炭素住宅仕様
①外皮性能基準値の達成
②基準一次エネルギー消費量を10%以上削減
③次のうち2項目以上低炭素化に資する装置を講じる
■節水に資する機器を設置
■雨水、井戸水または雑排水の利用のための設備を設置
■HEMSまたはBEMSを設置
■太陽光等の再生可能エネルギーを利用した発電設備及びそれと連系した定置型の蓄電池を設置
■一定のヒートアイランド対策を講じている
■住宅の劣化の軽減に資する措置を講じている
■木造住宅もしくは木造建築物である
■高炉セメントまたはフライアッシュセメントを構造耐力上主要な部分に使用している

※弊社では標準的に低炭素住宅の認定取得をしておりますが、地域によっては認定をうけることができないためご注意ください。

まとめ

建物の省エネ性能を上げると光熱費削減や補助金などのメリットが増えますが、同時に材料や施工にかかる建築費用が大きくなってしまうという懸念もあります。
ご予算との兼ね合いもありますので、実際の取得性能についてはお客様と私共でご相談させていただきながら計画することが大切です。
また令和4年10月1日には更なる上位等級の創設や長期優良住宅の認定基準の見直しが予定されております。今後の制度変更にもぜひ注目されてみてください。